脱墨剤(Deinking Agents)
製品分類 | 製品名 | 主成分 | 特長 | 添加場所 | |
脱墨剤 | 高級アルコール型 | DIA-Z-300 | 高級アルコール誘導体 | 汎用型 | パルパー |
DIA-Z-590 | 高級アルコール誘導体 | 高曇点、高発泡性 | |||
ハイブリッド型 | DIA-Z-102 | 高級アルコール誘導体、脂肪酸、助剤 | 汎用型、泡切れ良好 | ||
DIA-Z-IM | 高級アルコール誘導体、脂肪酸、助剤 | 高曇点、高発泡性 | |||
特殊型 | DIA-Z-323 | 高級アルコール誘導体、特殊界面活性剤 | 難脱墨古紙対応、
低アルカリ条件対応 |
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脱墨助剤 | 発泡剤 | DIA-PS-80A | ノニオン界面活性剤 | 高発泡性 | パルパー、F/T前等 |
脱墨剤の作用機構
脱墨とは印刷した古紙からインキを取り除き、DIP(Deinked Pulp=脱墨パルプ)を製造することです。
脱墨剤とは古紙からインキを除去してDIPを製造する為に使用される薬品です。
脱墨剤として、脂肪酸(石鹸)、脂肪酸誘導体、油脂誘導体、高級アルコール誘導体などが主に使用されています。
現在は、高級アルコール誘導体を主成分とする脱墨剤が主流となっています。
脱墨剤の作用機構は、
①浸透作用
水やアルカリの浸透を助け、古紙の離解(パルプスラリー状への溶解)を促進します。
インキ印刷面やサイズ剤により疎水化された表面には脱墨剤の親油基から浸透し、親水性の高い部分やパルプ中には脱墨剤の親水基から浸透していきます。
②剥離作用
インキの油性成分と馴染み易く設計された脱墨剤の親油基がインキ表面に吸着し、親水基が水中に分散しようとする力でインキをパルプから剥がします。
親水性の高い部分やパルプ中には脱墨剤の親水基から浸透していきます。
③分散作用
剥離したインキの表面が脱墨剤の親水基で覆われることにより、水中へ安定に分散され、パルプへの再付着を防止します。
安定に分散されたインキは脱水時に搾り水へと移動することによりインキとパルプが分離されます(洗浄作用)。
④発泡作用
水と空気の界面に脱墨剤分子が配列することにより泡の膜が安定化され、泡となります。
親水基と親油基のバランス設計により、適度に泡の発生量を調節できます。
⑤凝集作用
インキ表面に吸着した脱墨剤同士が付着して適度な大きさにインキを凝集させます。
泡の表面にインキと馴染み易い脱墨剤分子が配列することにより、泡の表面にインキが付着します。
泡の表面に付着したインキは、泡の浮力により水面まで上昇します。
多数の泡と接触させることにより、水面にインキだけが濃縮されていきます。
水面上のインキが濃縮された泡沫部分を分離除去することにより、きれいなパルプが選択的に得られます。
⑥破泡作用
インキを分離した後は、速やかに泡が割れるように設計されています。