帯電防止剤(Antistatic Agents)
帯電防止剤の作用機構
帯電防止剤とは、絶縁体に少しだけ導電性を付与することにより、静電気の蓄積を防止する薬剤です。
帯電防止剤の多くは、界面活性剤の作用により物体表面に空気中の水分を吸着し、電気抵抗を下げる役目をします。
帯電とは、摩擦や剥離によって絶縁体に電子が偏在化・蓄積され、静電気を帯びる現象です。
静電気により瞬間的に高圧電流が流れ、電撃痛、精密機器の誤作動・物理的破壊、発火など様々な障害を起こします。
また、電荷を帯びるため、静電作用により塵や埃・花粉などを吸着し、汚れの原因となります。
当社の帯電防止剤「カプロン」シリーズは、さらに電子運搬体であるイオン電導物質を導入することにより、
温度による影響を受けづらくしています。
また、「カプロン」シリーズは、帯電防止性だけでなくすべり性を付与して擦傷を防止できるグレードや、
撥水性を付与できるグレードもあります。すべてのグレードが完全水系ですので、環境に優しく安全にご使用できます。
【特徴】
- プラスチック・フィルム・シリコーン製品の静電気を防止
- イオン電導物質を導入することにより、温度による影響を受け難い
- グレードにより、帯電防止性だけでなく、擦傷の防止や撥水性を付与
- プラスチック、樹脂、繊維、印刷工程用など用途ごとに個別に開発
帯電防止剤ラインナップ
分類 製品名 タイプ イオン性 用途 使用方法 外観 含有溶媒 特長 推奨希釈倍率/溶媒 塗布型 カプロンB-200 低分子タイプ カチオン 紙加工、オフ輪印刷 塗布、噴霧 白色液体 水 滑り性付与、背割れ防止 30~100倍/水 カプロンC-12 低分子タイプ カチオン 繊維加工、紙加工 塗布、含浸、噴霧 無色透明液体 水 抗菌性付与 30~100倍/水 カプロンPF-30 低分子タイプ アニオン 繊維加工、紙加工 塗布、含浸、噴霧 微黄色透明液体 水 非黄変性 30~100倍/水 カプロンW 低分子タイプ カチオン フィルム、プラスチック 塗布、含浸、噴霧 無色透明液体 水 滑り性付与 原液 カプロンW-25 低分子タイプ カチオン フィルム、プラスチック 塗布、含浸、噴霧 無色透明液体 水 カプロンW濃縮タイプ 50~100倍/水 カプロンF-50 高分子タイプ カチオン フィルム、プラスチック 塗布、含浸、噴霧 微白濁液体 水 撥水性付与、離型性付与 原液 カプロンL-50 高分子タイプ アニオン フィルム、プラスチック 塗布、含浸、噴霧 微白濁液体 水 PET,PP,PEに塗布可 原液 カプロンL-353 高分子タイプ カチオン フィルム、プラスチック 塗布、含浸、噴霧 微白濁液体 水 IPA希釈可 5~10倍/水,IPA 練込型 カプロンC-100 低分子タイプ カチオン フィルム、プラスチック 練込成形 淡黄色液体 なし 常温液状 原液